11.19.2024
日本から海外配信

CTVとリテールメディアがホリデーキャンペーンで融合する時

※Boundless株式会社は、米国に本社を構える当社グループの日本法人です。

筆者:
Mike Merna / Sr. Director of Commerce Media at Yahoo

 

今年、消費者はこれまで以上にホリデーショッピングに予算をかけるとみられており、ホリデー期間中のリテールメディアの成長率は4.8%で、昨年を上回ると見込まれています1。さらに、購入者1人あたりの平均注文数は前年比で8%の増加が予想されています2

一方で、ホリデーシーズンは競争が激化するため、マーケターは市場シェアを獲得するべく、最も的確な購買シグナルと効果的なメディアチャネルを活用することが必要となります。
それでは、このホリデーシーズンのメディア戦略キャンペーンで欠かせない戦術とは何でしょうか? eMarketerによると、コネクテッドテレビ(CTV)は他のどのチャネルよりも広告費が急速に増加し、また、米国のリテールメディア広告費は、2027年までに毎年20%以上増加するとみられています3。マーケターにとって、こうした広告の二大勢力を活用して効果的なキャンペーンを推進するユニークな機会を見逃す手はありません。
CTVとリテールメディアネットワークの組み合わせは、近代のデジタル広告における統合の象徴です。この組み合わせにより広告主と消費者の双方に利益のある状況がもたらされ、広告主は、関心の高いオーディエンスに対してより精度の高いターゲティングキャンペーンを実施でき、消費者は質が高く関連性の高い広告体験を楽しむことができます。
さらに、リテールメディアネットワークは、従来のテレビと比べてクローズドループ測定(CLM)のメリットも提供します。小売業者の購入データのおかげで、広告主はCTVキャンペーンが実際の販売に与える影響を完全かつリアルタイムで把握でき、広告に実際に好意的に反応しているオーディエンスに基づいてターゲットを最適化することができます。広告主はこれら2つがお互いの成長を促進する関係にあることを認識し始めており、2027年にはCTV広告費の5分の1にリテールメディアへの支出が含まれると予測されています4
CTVとリテールメディアをホリデーシーズンのメディア戦略に優先させるべき理由を見ていきましょう。

オフサイトメディアが広告主に新たな道を切り開く 
事実として、消費者が1日にオンラインで過ごす6時間以上のうち、その大半は小売業者のウェブサイト上ではありません。
リテールメディアネットワークはこれまで、データをボトムファネルツールとしてオンサイト広告に使用してきました。より多くの小売業者、さらには航空会社やホテルなどの非小売業者を含む商業分野の企業が、自社のオーディエンスをオープンウェブ上で複数のパブリッシャーを通じてブランドがリーチすることで、より大規模かつ効果的に収益化できることに気づき始めています。これがいわゆる「オフサイト」広告と呼ばれるものです。
オフサイト広告の登場により、ブランドは消費者ジャーニーの初期段階で、これらのオーディエンスと新たに、そして効果的な方法で関係を築けるようになりました。ブランドはオーディエンスが実際にコンテンツを消費している場所を見つけ出し、リテールデータを活用してフルファネルのアプローチを実現するための欠けていた要素を埋めることができます。
ホリデーシーズンには、多くの人々が仕事を離れ、リラックスしながらオンラインで時間を過ごします。例えば、ホリデーレシピを閲覧したり、好きな番組を見たりする時間が増えます。そして、オフサイト広告の最大の推進力は何かといえば、それは間違いなくCTVです。このホリデーシーズンにおいて、マーケターはCTVを最大限に活用すべきでしょう4

リテールデータはオーディエンスの最高峰
競争が激化するこの季節は、可能な限り最も戦略的な方法で予算を使うことが不可欠になります。消費者が誰であるか、そして消費者をどのように見つけ出すかを知っていくことで、インプレッションの無駄を防ぐことができます。そこで役に立つのがリテールデータです。リテールメディアネットワークは、消費者行動や購買パターン、商品の好みといったオーディエンスインサイトを深く知ることができる金脈と言えるでしょう。このようなアドレッサブルなオーディエンスは、シグナル損失やアイデンティティの変化にも強く、購入ポイントまたはその直前で効果的なターゲティングを達成し、ブランドの実際の売り上げを促進する絶好の機会を作り出し、これによりホリデーシーズンの戦略を、可能な限り最大限に引き出すことができます。またリアルタイムで最適化できる柔軟性もあり、広告主は売り上げに基づいて実施中のキャンペーンを改善することができます。特にホリデーシーズンのような競争の激しい時期に、このようなアクションは非常に重要になってきます。さらに、クローズドループ測定と組み合わせることで、広告を見てからオンラインや店舗でのコンバージョンに至るまでの消費者ジャーニーを完全に把握でき、キャンペーンが売り上げに与えるビジネスインパクトを理解することが可能になります。


CTVは、これまでにないリーチと没入型体験を提供し続ける
CTVは、歴史的にアッパーファネルのチャネルとして活用されてきました。近年、リモコンを使いインタラクティブなクリエイティブ体験ができるショッパブルTVが普及したことにより、CTVの可能性が拡大し、徐々にローワーファネルチャネルとしての影響力も強めています。
実際、当社のDSPでは、CTVをディスプレイ、ビデオ、またネイティブビデオによるオムニチャネルメディア戦略と組み合わせることで、米国の大手Eコマース企業で最も高いコンバージョン率を達成した事例が見られました。

CTVの優れた点として、他のスクリーンと比較しても、広告主が非常にエンゲージメントの高いオーディエンスにリーチできることが挙げられます。これはホリデーシーズンにも当てはまります。たとえば、LGの最近の調査では、CTV広告は認知度を向上させ、CTVユーザーの69%がホリデーショッピングの広告を覚えており、72%が割引用のQRコードをスキャンする意向があるとされています5。その上で、購入ポイントまたはその直前にいるリテールオーディエンスを活用することで得られるさらなるメリットを想像してみてください。CTVとリテールデータが互いに影響する、まさに魔法のような瞬間は、オーディエンスに強いインパクトを与える体験を提供し、この競争が激しいホリデーシーズンに売り上げを促進します。


当社DSPでは、CTV コマースメディアを中心とした効果的なメディア戦略のプランニングと実施に向けてご案内いたします。

 

1 『eMarketer米国ホリデーショッピング2024』
‍2 『Yahooメール購入レシート2024年8月』
3『eMarketerプラグマティック広告予測および広告技術トレンド2024年下半期 』
4『eMarketer、CTVとリテールメディアがお互いを必要とする理由』
5 『LG「Season’s Streamings」2024年7月』

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Mike Mernaについて
Mike Mernaは、当社のSr. Director of Commerce Mediaであり、新しい戦略的パートナーシップの開発、業界のベストプラクティス、効果的なデータ統合、収益化の機会に関するクライアントへのアドバイスを担当しているコマースメディアの専門家チームを率いています。またCPG、ヘルスケア、リテール業界で30年以上の経験を持ち、Quotient Technology Inc.をはじめ、Oracle Data Cloud、Pfizer、Bayer Healthcareなどの大手企業でも優れた実績を残しています。直近では、The Mars Agencyの最高事業成長責任者を務め、Walmart Connect Canada、7-Eleven、Tractor Supply Co.、Albertsons/Safeway、Ahold Delhaize、Rite Aid、Dollar Generalなどの大手リテール業者に代わってリテールメディアの販売を率いてきました。

 

英語原文のブログはこちら

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